***バカじゃねぇのか、クソマリモ? いつも勝手気ままにヤリやがる癖に。 急に優しく触れるんじゃねぇ。 気持ち悪ィ。 目元が濡れてんの見たからって・・バカだろ。 あんなの生理的なもんなんだ。 てめぇが力ずくにやりやがるからな。 ・・・俺の事何とも思ってねぇだろ? 何考えてやがる・・。***
ぎゅっと閉じられた目と、掌に僅かに伝わる震えを和らげたくて 掴んだ手を頭の上で一つに纏めると空いた手で 俺は芯の無くなったコックの肉棒を掌に収めて ゆっくりと手を動かした。
暫くすると、硬くなっていた身体から徐々に力が抜けてくる。 ぎゅっと閉じられていた目元も心なしか緩んだように見えた。
『 男にも中にスポットがあるんだ。 最高にイイところがさ。』
男娼のそんな台詞を思い出しながら手と腰を動かした。
闇雲に腰を振らず、中を探るようにかき回す。 コックの反応を待ちながら俺は挿しいれることを繰り返した。
やがてかみ締められていた唇は、僅かに開いて、時折 「あ」 の形を作り。
肉棒も再び芯を持ち始めた。
「ン・・・・ぁ・・。」
掠れた声を漏らし背中を僅かに反らせた瞬間。 どくん と血流が集まったようにコックのモノが硬くなった。
・・・と同時に 中に入った俺もキュッと締め付けられた。
アタリ・・か? 反応を返した所をもう一度突くと、コックが俺の下で踊った。
探りあてたその場所を狙って 何度も擦るように突き上げる。
コックの肉棒も俺のそれも 弾けそうなほどに張り詰めている。
反応に気をよくした俺は手と腰を使ってコックを追い上げる。
・・されるがままだったコックが、いやいやをするようにほんの少し首を振った。
やがて頬を上気させ、息を切らせ、軽く背をそらせながら精を吐き出した。
白濁が手を汚す。
それは意外なほど嫌悪感も汚濁感もないもので‥。
ヌルつく指を擦り合わせると 奇妙な達成感さえ感じるほどの高揚が俺の中に生まれた。
その滑る手をどうしようか迷った末、コックの傍に落とした自分のシャツで拭くと改めてコックを見る。
閉じたままの目は開くことも、息を切らせながらも声を漏らすことも 無い。
それを残念に思いながらも
すぐに射精感がこみ上げてきた。
(コック、…コック。こっちを見やがれ。)
揺さぶられるその顔を見続けてもコックの目は開かない。
「コック。……(俺を見ろ)」
束ねていた手を解放し、その手をコックの頬に添えた。
まるで誘うように蠢き締め付けていた
コックの中が 一層絡みつくようにきゅっと締まると俺の限界が近くなる。
(こっちを……俺を見てくれ)
「……………サン……ジ。」
その声が聞こえたのか…ゆるゆると瞼が開き
潤んだ快感に揺れる蒼い瞳が現れた。
…ゾロ……。
開いた口がそう形作る。
-----俺にはそう見えたのだ。
その瞬間。
俺はコックの中に欲望をぶちまけた。
全てを吐き出すと 俺はコックの中に入り込んだまま その上に身体を落とす。
胸の上に乗った耳にコックの鼓動が入り込んできた。
ドクンドクンと強い早鐘を打っていた響きが、徐々にトクトクと落ち着きを取り戻すのをすぐ傍で聞く。
規則正しい鼓動を聞きながら、胸の奥から滲むように湧き出る不思議な感情に 自分自身付いていけないでいた。
このまま身体を重ねたままでいてぇとか、俺以外がこの身体を触ったと思うと悔しいとか。
あの蒼に俺を映し、抱いているのは 俺だという事を認識したであろうコックが、俺の名を呼んだのが堪らなく、もう手放したくねぇなんて思ったとか。 次はもっと優しくしてやろうだとか。
それは、名付けるなら至福と独占欲が同居する、俺が初めて感じた感情だった。
少しだけ顔を上げてコックの表情を伺うと コックは軽く汗をかき目を閉じていた。
親指でコックの頬をなぞり
そのままこめかみへと滑らせ、汗で張り付いた髪を撫でてやる。コックの髪は腰が有るが柔らかな髪をしていた。
身じろぎもせず黙って髪を梳かれるコックの顔を見る。 口元の痣は俺のつけたものだが、いずれはきえるであろう。
前髪を撫で付けるとコックの額が現れた。
手の下に現れた普段隠れて見えない左の顔に 傷や痣がなかった事に少しばかり安堵しながら、やはり今も開かれることのない目を残念に思う。
それとともに髪に隠れて見た事のない左の蒼を見たいと思う。
・・・不思議なものだ。コックになんか興味なかった俺が、今こうしてコックの事ばかり考えている。
名残惜しい気持ちを残しながらもずるりと自身を引き抜くと、コックの眉間が寄せられた。
本来入れるべき器官ではない場所での行為は…やはり負担があるんだろう。
(もう力付くではやらねぇ。)
身体を起こし額にキスをして、コックの唇に口付けた。-----何故そんな事したのかわからねぇ。
その時はただそうしたかったのだ。
コックが不意に動く。
「どけよ。 クソマリモ……気が済んだら 早く、どけ。」
それまで反応もなく好きなようにさせていたくせに不意に顔を背けた為、いつものようにバラバラと顔半分を隠すように散った金の中から コックは挑むような蒼を一つ見せた
その目は先程とは違って、もう快楽の痕を残してはいなかった。
あのすぐ後、人の気配が近付くのを感じ 俺はコックに何も声を掛けないまま身体を離し 身支度を整えシャツを掴むと甲板に足を降ろした。
甲板を 見渡すと岸側の船縁に梯子が掛けられその手前に大小さまざまな板やら、工具やらが置かれていた。
離れた場所でウソップとチョッパーの話し声がする。
どうやら船の補修などの買い出しを済ませ帰ってきたようだ。 だんだんと声も近くなってくる。
「ゾロ、帰ってたのか!? お前が先なんて珍しいな。」
「ただいまゾロ。」
「あぁ・・・。」
にこやかに笑い荷物を手に男部屋に向かう二人に背を向けた。
暫くして再びハッチの開く音がすると、2人の足音がキッチンに向かう。
・・チッ。
気付くと俺は舌打ちしていた。コックは? 服を着る時間は有っただろうか?
島を出た翌日、その日も太陽が照りつける暑い日だった。
甲板の木板をじりじりと熱し そこで転寝する俺も熱さに負けキッチンの影に移動した程に。
日陰に入ると幾分暑さはやわらぐ。
腕を枕代わりに俺は目を瞑った。
パタパタと草履の音が階段を上り、キッチンに笑い声が響くのが 壁越しに聞えてくる。
やがて、女共とウソップ、チョッパーがキッチンを出ても草履の主は出て行かなかった。
今キッチンの中は、ルフィとコックの2人だけになったのだろう。
それでも暫くは笑い声が聞えていたが、次第に聞える声は小さくなり、会話も少なくなってその内容などは耳を澄ましても良く判らないほどになった。
・・・背にした壁の向こうのコックの気配が揺れている気がした。 感情を持て余すように押さえているらしい声が時折大きくなり、何か物が小さくぶつかる音がし、その中に憤り、嘆き、悲観するように乱れる気配が混じっている。
珍しい。どうしたんだ?
コックは普段からクルクルと表情を変え、何を考えてるのか判らない事も良くあるが、蓋を開けてみればそれはいつも単純で。 今日のように乱れたものではない筈だ。 それともこれは俺がコックの事を意識してしまっているからそう感じるだけなのだろうか?
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