又つまらぬものを・・・

「今夜何食いてぇ?」 そう訊いたら、「・・・・てめぇ」 と言うベタな答えが返ってきた。


 昼過ぎに港について 年長組の男、俺たち二人を残し 今夜は陸の上に泊まると言う。
 残された俺たちは 船の見張りだ。

 そこで、普段肉好きの船長や洋食好きな お子様達メインになりがちなメリー号の食卓に変わって、どうやら和食を好むらしい剣士に希望を訊いてみたのだ。
「てめぇ、・・・それ笑えねぇ。つまんねぇこと言ってねぇで リクエストくれぇとっとと言え!」
 実はこの剣士、食に関して 未だにこれが食いたいとか、あれ作れんのか? とか聞いてきたことが無い。
 他のクルーは日替わりのようにリクエストをしてくるのに。
 更には食べたものにも感想を述べた事も無い。
 最も皿の上に米粒一つ残らない位綺麗に食べるし 伸びてくる船長の手から皿を守っているのを見れば そこそこ不満は無いようだが・・・・。
 作り手側からすれば、全くもって作り甲斐の無い奴なのだ。
 今も目の前で件の男は黙ったままだ。 「つまんねぇ。」
 「あン?」
 「つまんねぇ奴、って言ったんだよ、ロロノア。」
 「・・・あンだと?俺はつまんなくねぇぞ。」
 そう言うと少し考える素振りを見せる。 食いたいもん言う気になったかと思って身構えていると なにやらスクッと立ち上がり斜に構えポーズをつける。 
 「・・・・ゾロです。刀の柄の部分が臭そうだと言われました。・・俺の口は臭くなかとです。 ・・・ゾロです。刀触らせてくれと言うので貸してやったのに 見た後みんなすぐ手を洗うとです。 ・・・ゾロです。しょっぱくないのかと聞かれました。・・・そんなの怖くて味見してません。 ・・・ゾロです。・・・今日はコックに聞かれたから素直になってみました。本当に食いたかったのに・・・つまんない奴呼ばわりされました。 ・・・ゾロです、・・・ゾロです、ゾロです・・・。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ザッパ〜ン。遠いところで何か大きいものが海に落ちた音がした。
「おぉ、泳いでる泳いでる。」
 海面すれすれにマリモが 凄い勢いでこちらに向かってくる。
 海にゃマリモは生息できねぇ筈だが・・・。
 ん? 緑から手が生えて、マリモがクロールしてやがる。
 ほんとにスゲェ勢いだ。
 今なら世界新も夢じゃないかも知れねぇ。
 泳ぐマリモ発見!!しかも世界最速なんて言われたりして・・。
 タバコに火をつけながら呆れた声が出た。
 お?!頭に大きなこぶを作ったマリモに茶褐色の帯が絡み付いてやがる。
 ありゃ昆布か? よし、今夜は昆布ダシを使った料理にするか。
 ダシ取った後のも佃煮にして・・・握り飯にでもしてやろう。
 何も言わない割には 握り飯食ってる時にはあいつ 眉間の皺が消えてるからな。 
 タバコを海に落として 剣士を蹴り飛ばした脚を踏み出してキッチンに向かう。
 丁度海から上がった剣士が背後で文句を言っているがそれは無視だ。  



い・・・いろんな意味でごめんなさい。もっと違う話になるはずだったんですが・・(滝汗)
書いてる途中で ヒロシ  見ちゃったんで・・