せなか

コックの背中には傷がある

奴の背中の下のほうに 仲間を助ける時に出来た手術の後が ほんの少し引き攣れて存在を主張している。
裸の身体に包帯をグルグルと巻きつけ、スーツとコートを着込んだコイツを見た時は 正直後悔した
何で自分も一緒に行かなかったのかと・・

もしかしたら 知らない間にコイツを失っていたのかもしれないと思いたち、そうならなかった事に感謝して、
同時に酷く後悔した

コックは自分の事に無関心で、仲間の事は必要以上に気に掛ける
俺はそれをもどかしく感じながら コックのそんな所もひっくるめて 大事にしたいと思う
あれからもコックは 自分以外の人間のために損得無しに動いて 怪我を作った
そして笑う、傷の痛みに眉を顰めながら それでも笑う
俺はそれを見て笑う 
明日をも知れぬ海賊家業で 共に無事を祝って笑う事が出来るとは何と幸福な事か
そして出来るならこれから先、その背中に跡を残すのは俺だけであるよう、・・そう思う