prayer ─ プレイア ─
汗ばんだ薄い手の甲に 手のひらを重ね
貪るように指を絡め
その皮膚も
骨ばった質感さえも刻み込むように深く味わう。
見た目より節のしっかりしている手は、仕事人のそれで。
ところどころ傷跡のある皮膚は、水を扱う仕事をしている割には荒れていない方だろう。
この手を
手の持ち主を
かけがいのないものだとわかっている。
コックの中に入ったままその背に覆いかぶさる。
決してこちらを向かず
俺の背に手を回さない、抱きしめようとはしないコック。
口には出さないこだわりを腹に抱えるコック。
俺にとっちゃぁくだらねぇ事にも気ィまわしてばかりのコックの事だ。
あらかた男同士だとか
いつまでも一緒には歩いていけねぇとか
そんなとるに足らねぇ事だろう。
あのアホコックの考えそうなこった。
こんな家業だ、腰を落ち着けて家を構える気なんて毛頭ない。
最も、俺は死ぬまでてめぇを離す気なんてねぇし?
んなモン、お前が女じゃなくても……全く構わねぇ。
・・・
先のことなんて知ったこっちゃねぇ
だけど。
俺の未来にはお前がいる筈だと俺は思ってるが、お前はそうじゃないのか?!
時折冗談めかしてお前が言う……俺の未来。
まだいもしねぇ女房だとかガキだとか、遺伝子がどうたら……。
はっきりいって俺には興味ねぇ事だ。
俺はてめぇが居ればそれでいい
それ以下も以上もねぇ
てめぇさえいれば……。
素直じゃないのが てめぇの専売特許だって知ってる。
お前に入ろうとする俺に白い背中を向ける度、
酔って未来の俺を語るくせに目を反らす度、
聞こえない筈のお前の気持ちが聞こえる気がするのは・・・俺の気のせいだけじゃないだろう。
捕らわれすぎて素直になれないコック。
わかりにくい奴だが、でもそれがてめぇなんだもんな。
てめぇはそのままでいい。
そのかわりに俺が手を重ね 背中から抱いてやる
いつか皮膚から溶けだし、俺の想いがお前に伝わるように。
指をからめ
お前を味わい
指の一本一本にキスを落としてやろう。
Prayer ─祈る人─
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か・・・・語っちゃってるよゾロが!
今更なお話で・・・; すんません